精神科医師(常勤) 

・秦野丹沢スマートI.C降りてすぐ(3分)のところにある病院です。遠方から通勤しやすく、先生方に好評な立地です!(有料高速代全額支給 ※但し合理的な通勤経路である必要有

・常勤内科医います。安心して、精神科の業務に専念できます。


【募集人員】

常勤医 1名 


【勤務日】

週4日勤務 ※週5日も可


【勤務時間】

・日勤:9:00~18:00 ※時間についてご相談承ります

・当直:17:00~翌9:00


【年俸・各種手当】

当院規程により優遇


【交通費】

交通費全額支給 (有料道路代も全額支給


【問い合わせ先】0463-88-2455(代) 事務課長 柳田

お電話問い合わせフォームでのお問い合わせのみで、勤務条件や給与等、丁寧に回答しております。その後のご応募は自由ですので、ぜひお気軽に、お電話等でお問い合わせください。

日当直医師 

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医療従事者の方へ

医師の働き方改革 時間外勤務について

丹沢病院 院長 関口 剛

 私は働き方改革に大いに賛成だ。この原稿を書いている今でも、上記の表題で困っている医療機関があると思われるが、当院は遥か前にその認可を得ている。もちろんオチを先に言って、これで終しまいというわけではない。まずは持論を逆説的に述べたいと思う。

 私は現研修医制度の直前に研修を受けた世代だ。すなわち研修医時代はほぼタダ働きの上、家に帰ることもままならず、医局から週一回派遣される院外のバイトで生計を立てていた。そして大学院時代に入ると更に多忙を極め、その凄まじさは研修医時代を遥かに超えた。いわゆる「白い巨塔」とも言われる医局制度の真っ只中にいたからだ。しかし、私はこの時代の在り方を一括りに悪とは思っていない。もちろん、Z世代の若者たちにこの在り方を強要するものではない。私は幸運にも教授を筆頭とする恩師達に恵まれていた。いまだに私の周りには、折に触れてご教示ご指導くださる先輩方がたくさんいる。この事からも、かつての医局制度が必ずしも100%ブラックというわけではないと思うのだ。(ところで、ここで少しだけ私の心の声を呟いてもいいですか?<何でもかんでも勤務時間外にしちゃう今の風潮って、どうなのよ?経営、管理、教育、研究、会議…何でも杓子定規に時間外って割り切れるのか?そこはケースバイケースでもいいのでは??もちろん「24時間戦えますか」とまでは言わないけども、、。> 閑話休題。話を元に戻します。)

 日本はこれまで多くの犠牲を払いながら、「努力」を上回る「根性論」で隆盛を極めてきたと思う。だが、今後は超高齢社会となり、1人の若者が1人の高齢者を支える時代を迎える。これからの世代に「根性論」は通用しないし、強要してはならない。欧米では、"仕事よりも家庭を優先するのが当然"というノルムがあるにも関わらず、北欧を筆頭に時間当たりの生産性は日本を遥かに上回ると聞く。日本における働き方はこれからどうなるのだろう。医療は?医師の働き方は??

 1つの町に1人の医師が当たり前だった時代、夜中の急患に叩き起こされていた赤髭先生たちは、これからの時代、どのように評価されていくのだろう。いまだに世論はこれを是とし、美談とする風潮があるように思える。しかし、それこそがミスマッチングなのだ。「時間外勤務を含む悪制度」という論調と「赤髭先生こそ医師の理想像」という美談は、究極に矛盾している。医師も人間だ。まずは、医師にも人としての生活があり、その尊厳が認められるような世論が醸成されることを望む。そして私の病院では、この点に関しては真摯に取り組んでいる。

 私は、働き方改革には大賛成だ。だが、繰り返しになるが、「赤髭先生」を求める世論を許してきた我々の世代vsブラックな制度を改善すべく法改正を支持する新世代が、考え方の矛盾により衝突が起こらないか、甚だ心配だ。


神奈川県医師会 勤務医部会報(『特集 医師の働き方改革 ~2024年4月からの勤務体制~』) 2024.3 No.24 掲載分より引用

子育てと医師のキャリア形成の両立について~当院の現状と取り組み~

丹沢病院 院長 関口 剛

 ラジオにて。帰宅途中の車でだったかな。宮城県で「孫の育児休暇」が導入されたという。そして知事がその第一号該当者になったという内容だったと記憶している。いわゆる「育ジージ、バーバ」というものだ。なんだかんだで子育て世代が大変な思いをしている時代に、とてもいい話を聴いたと感じた。

 さて当院は単科の精神科病院である。繰り返し言っていることだが内科の常勤医が2名在籍していることで、精神科の医師が身体合併症の診療に何ら苦慮することなく精神疾患の診療に当たることができている。常勤医の大半は40代でお子さんのいる先生は小中高の受験で皆大変そうである。医局での話題は診療以外に「受験の愚痴」がメインの感すらある。多くの先生が大方キャリア形成というか、必要な資格を取得ないし申請済みで、ブラッシュアップに学会や講習会に参加することを私自ら強く勧めている。

 一方、当院は東海大学の精神科関連病院で、専門医を目指す専攻医の先生を常勤医として複数派遣していただいている。その先生たちは専門医のみならず、ほぼ同時期に精神科特有の「指定医」の取得を目指すから大変である。一方指導する私が大変かというと、そうでもない。皆真面目だから。かつて、指導していた先生の為に私自身が年末年始病院に籠ってレポートとカルテを突合していた時、当の指導される側の先生は優雅におせち料理を食べていたという懐かしい思い出もあるといえばあるのだが・・・。今の専攻医の先生には専門医、指定医の更なる先を目指すよう、より縦深的な指導ができればと、ちょっと真面目に考えている。あるいは精神科に特化した分野のみならず、産業医や認知症サポート医など広く社会貢献できる資格取得も勧めていきたい。

 当院の医師の現状とキャリア形成についてここまで書いてきたが、最後に医師の子育て、すなわち医師の「産休育休」について書きたいと思う。当院には医師短時間勤務制度の導入例がある程度である。しかし専攻医の先生の世代はまさに該当するのではないだろうか。私はこちらも強く推奨する。医局以外の他の部署では、何ら支障なく産休育休をとっている。中には休みの度に新しい資格を取得してくる強者職員もいて、復帰するとよく「院長先生、私のこと覚えている?」などという挨拶をいただくのだが、これには苦笑するしかない。人間としてより大きくなって帰ってきてくれたと、むしろ喜んでいるのだから。とっさの事なので、いつも「忘れるわけないじゃん」としか返せないのだが、この場を借りて「一層期待しているよ!」と言わせてもらいたい。これは医師に関しても、ジェンダーフリーで同様の事が言えよう。こういうと医局のマンパワーを危惧する声が出てくるかもしれない。しかし「きちんと休み、家族を育み、より大きくなって戻ってこい」ってもんだ。該当する先生が出てきたら温かく見守り、そして復帰をとても楽しみに待ちたい。


神奈川県医師会 勤務医部会報 2023.3 No.23 掲載分より引用

精神科病院で新型コロナウイルス感染症と向き合う、とある勤務医のモノローグ

                    丹沢病院 院長 関口 剛

当院は秦野市にある単科の精神科病院である。内科の常勤医が2名在籍していることが特徴で、精神科の医師が身体合併症の診療に苦慮することなく精神疾患の診療に当たることができる体制となっている。しかし医療機材については、他の精神科病院と大差がないかそれ以下であろう。人工呼吸器などは無論なく、酸素のパイピングがなされた病棟はダウンサイジングの流れで休床状態となり、酸素投与が必要となった患者には、ボンベを運んで対応している。

 さてこの度、令和2年9月発刊の神奈川県医師会報に寄稿された、横浜甦生病院院長である澤田傑先生ご執筆の「新型コロナウイルス院内クラスターを経験して」を拝読し、正直、衝撃を受けた。幸い、令和2年11月現在、当院での発生はないものの、今後当院で発生した際の想定について述べてみようと思う。

 今でこそ「精神科医療に係る神奈川モデル」が制定され、精神疾患と感染症の重篤度により対応する病院の区分がなされているものの、当初は体系的な枠組みがほとんど構築されていなかった。そのような状況の中、当院の勤務医がダイヤモンドプリンセス号で診療に携わり、誠意を持って事実を報告してくれるまで、私は新型コロナウイルスを他人事のように思い、身近に意識することはなかった。しかし、それを機に①休床している病棟をコロナ病棟として使用する事②アビガンの治験への参加③コロナ病棟に入る職員の人選などを考え始めた。

 ①については担当医を誰にするかが問題となった。様々な意見があったが、総合的なバランスを鑑みて私自身がする事に決めた。病院幹部には、私に万が一の事があった場合の後処理を伝え、保健所には(精神保健福祉法では絶対に認められない)集団隔離の可能性もあるので、その時は相談したいと口頭で報告した。感染対策委員会は大変細やかな対応をしてくれたので非常に有り難かった。

 ②については、当院は以前から治験に積極的で、多くの参加実績があるが、向精神薬以外の治験経験は全くなかった。このため慎重論も出たが、「これは戦争だ。戦争には武器が必要だ」と説き、大学や先輩から多大なるご指導を仰いで参加可能となった。

 ③については、とりわけデリケートな問題でもあり、個人的に声をかけるしかないと思っていた。しかし、アンケート結果では多くの職員が積極的に参加を考えてくれていて、自身の事より万が一の場合に残された家族を心配する記載が多数あった。私は会議でこれらを目にした時、不覚にも涙がこぼれそうになった。

 そしてそれ以降、その時の胸に迫る思いが、新型コロナウイルスに対峙するうえで私を支え、揺らぐことのない圧倒的な自信を生みだす原動力にもなった。それゆえ、私は持ちうる全ての力を尽くし、幾多の難局を乗り越え、この戦いにきっと勝利してみせると強く決意するに至ったのである。


神奈川県医師会 勤務医部会報 2021.3 No.21 掲載分より引用

新専門医制度の基本コンセプトと当院における研修の現状について

丹沢病院 院長 関口 剛

 丹沢病院は秦野市にある314床の精神科病院です。単科の精神科病院では珍しく、内科の常勤医師が2名いることが特徴です。常勤医師の年齢層は40歳前後で、それぞれ皆出身大学は様々ですが、学閥的な隔たりはありません。そして、その和気あいあいとした雰囲気の中で、精神科医は身体合併症をなんら躊躇することなく内科医に相談できる体制になっています。

 当院では、東海大学精神科を「専門研修基幹施設」とする「専門研修連携施設」として、2019年4月より卒後3年目の先生の受け入れを行なっています。今年度は3人の先生が半年交代で研修しました。認定された研修施設群に於いて指導責任者の下、研修プログラムに従った研修が行われたかを評価するため、資格審査と研修評価の後、筆記試験と口頭試問が行われ、合格者は「専門医機構」により「専門医」として認定されます。

 また精神科には精神保健指定医という資格もあり、卒後3年目の先生は専門医のみならず、指定医資格の取得も目指すことになります。2018年度から新しくなった専門医制度に続いて今年度より指定医制度も新しくなり、大変厳しい新規申請等に係る事務取扱要領となりました。

 ここでその一端をご紹介しますと、「精神科実務経験告示に定める5例以上の症例については、精神病床を有する医療機関において常時勤務し、指導医の指導のもとに自ら担当として診断又は治療等に十分な関わりを持った症例について報告するものであり、入院中においては、少なくとも1週間に4日以上、当該患者について診療に従事したものでなければならない」、「提出するケースレポートのうち1例以上は、申請前1年以内に診療を開始した症例とする。提出するケースレポートのうち2例以上は、申請日の1年前の日より前に診療を開始した症例とする」、「当該症例を、医療保護入院の症例であって、入院時から担当し、かつ、入院時の指定医診察に立ち会った症例として申請する場合には、申請者が入院時の指定医診察に立ち会っているものであること」、「証明を行う指導医は、他の指導医が指導した期間についても当該指導医に連絡する等により確認を行うこと」といったものがあります。そして、これまではケースレポートのみであった審査が、今回の新制度から、必要な知識及び技能を有しているか確認のため、更に口頭試問も実施されることになりました。

 研修中の先生は専門医・指定医資格の両取得を目指し、当院で研修をされましたが、極めて基本的な事柄(①当院での一般的な精神療法・薬物療法について②外来や入院での基本的な仕事について③多職種との連携について)の指導にのみ終始し、不十分な点も多々あったかと思います。例えば、症例検討会やクルズス、また、指導医に同行した回診などが十分に行えなかったことはこれから改善していかなければならない点であり、研修のあり方の更なる模索が必要だと思われます。

 一方、研修中の先生からは、「安定している患者さんだが、抗精神病薬が多剤になっており、どうすれば単剤化できるのか」、「慢性期のほとんど症状のない患者さんを一度診察しただけで、どうして医療保護入院が妥当であると言えるのか」といった、臆することない率直な疑問や、「もっと当直したい」という体力あふれる頼もしい言葉などが聞かれ、大変新鮮に感じました。
 最後に今後の展望としましては、指導する側・される側という垣根を超え、共に学んでいくという姿勢の中で、互いの更なる成長・発展に繋げていけたらと望んでいます。


神奈川県医師会 勤務医部会報 2020.3 No.20 掲載分より引用

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